大学ラグビー決勝戦
大学ラグビー選手権の組み合わせが決まった時、
もしかしたら、
この組み合わせになるのではないか、と思っていたが、
やっぱり、という感じの東海大対帝京大の決勝戦となった。
とっくのとうに早稲田はいないが、
それでも、準決勝、決勝と国立競技場へと出かけた。
贔屓のチームが出ようが出まいが、
このシーズンの学生ラグビーの総決算である。
ラグビーファンとしては、観に行くのが筋だと思ったのです。
それに、高校ラグビーの決勝戦も、
さすがに花園までは出かけなかったが、
CATVにてじっくり観て、感動したからでもある。
東福岡対桐蔭学園。東西対決である。
パワー&スピードの東福岡と
パック&コンセントレーションの桐蔭という感じだったが、
東福岡の底力が、桐蔭の気力を上回ったゲームであった。
高校生ながら、特に選手の名は挙げられないほど、
両チームともラグビーセンスの高い選手が揃っていて、
30分ハーフのゲームではもったいないくらいの観ごたえがあった。
これらのそして他の高校の選手の中から、
2019年日本で開催されるワールドカップ日本代表の
主力選手が出て来るのだろう。
先のことなどわかる試しも無いが、ホンの少し期待したくなった。
さて、この大学ラグビー決勝戦も、
もちろん、2019年、
日本代表チームの軸となるプレイヤーを生むに違いない。
そういう想いで、スタンドに座った。
ところが、隣の席は、
間の悪い事に、なんと通路の隣りが東海大の学生応援席で、
騒々しいと来たら、もう辟易でありました。
どちらが勝っても初優勝。
東海大は、初の決勝出場であります。
加えて、両チームとも、
フォワードの核となる選手に2名づつ外国人選手がいる。
帝京には、ロックに、ニュージーランド出身の
ティモシー・ボンド、フランカーにヘンドリック・ツィ。
東海は、日本育ちだがニュージーランドの血を持つ
マイケル・リーチをフランカーに、
ジョルジュア・ランギ・マウを№8に据えている。
かつて、大東大がトンガ出身の留学生で
選手権を勝ち進んだ時代があったことを思い出させてくれる。
東海大はスピードのある展開。
帝京大はフォワード主体のスローで荒っぽい力づくのゲーム運び。
最初は、互いにカタさが見られたが、
帝京大スタンド・オフ森田のトライでゲームが動き、
東海がこれまた主将の荒木の働きでトライを返し、
五分五分の勝負となった。両チームとも、接点での激しさは、
日頃の鍛え抜いた肉体のたまものであった。
両チームのフォワードは、学生レベルではなく、
社会人トップリーグに入っても充分戦える力に見えた。
両チームとも、力のある外国人選手に触発されて、
十二分なフィットネスで身体を造りあげていた。
だからこそ、ラグビーとして、大学決勝戦として、
80分間があっという間という好ゲームになったのだろう。
レフリーの平林さんも、桜岡とは違って、
細かく笛は吹かずゲームを動かしていたのも
こうした展開を生んだと言える。
でも、後でTVで観ると、
平林さんの立ち位置がゲームスピードについていけず、
反則を見逃しがちだった事は残念だった。
(やっぱりビッグゲームは、外国人レフリーがいいと思いますがね)
しかし、両チームともムダな反則は少なく、
その健闘には、ラグビーファンとして拍手を贈りたい。
両チームとも、大切なのは、これからだろう。
勝った帝京の岩出監督のコメントにも、
キャプテンの野口選手にも、
東海大に対するリスペクトの言葉が無かったのは、
いかがなものか。これでは、自らの不祥事で
チーム力を落としていった大東大や選手の犯罪を
軽く見たために退任した関東学院大の春口監督の
ような事になりかねない、と思うのは杞憂だろうか。
甲子園の高校野球を見ても、
敗者を共に闘った者としてリスペクトする心があるからこそ、
ファンが増えていってるのではないだろうか。
帝京キャプテンの野口選手は、
接戦を闘い終えたばかりという事を考えると
ムリはないかもしれないが、
苦労人の岩井監督からは、一言東海大への言葉が
欲しかったなァ。
勝ち慣れていないから仕方がないとは思わない。
伝統校からは、そうした所を学んで欲しい。
新興校と伝統校が競いあい
ラグビー界を盛り上げたいと言うなら、
画龍点睛を欠いたように思う。
叱言ではない。
両チームとも素晴らしいゲームを
闘ってくれたから言うのです。
もちろん、伝統校や古豪も。
この両チームからフィットネスの重要性や
普段の生活の選手の管理など学ぶべき事は多い筈だ。
そうした切磋琢磨を大切にして欲しい。
話はまったく違うが、
先日の朝日新聞に作家の池澤夏樹が、
司馬遼太郎の事を書いていたが、
かねてから、司馬遼太郎に不信感を抱いていた僕は、
ハタと膝を打った。
結局、怪しい奴は怪しいのだ。
僕は、池澤本人の書くものを好きではなかったが、
この司馬遼観に関しては、
大いに賛成である。
よくぞ書いてくれたという感じだった。
そこへ、鵠沼海岸のS井大先輩から電話があり、
「君、朝日読みましたか」
「池澤夏樹でしょ」
「いやァ、なかなかなもんだね。切り抜いてあるョ」
というお言葉。
久々に胸のすく一文であった。
それにしても、朝日も、よく、この一文を載せたものだ。
これまで、あれほど司馬遼太郎を持ち上げておきながら。
世の中、何が起こるかわからない。
まさに、不確実こそ確実な時代となった事を実感した。
さて、僕も、自身の不確実を改めて発掘しなければならない。
大変だなァ、ホンマ。



